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(出典:WOWOW)
WBO世界S・ウェルター級タイトルマッチ&WBC王座決定戦(2024年3月31日)
ティム・チュー(オーストラリア)VSセバスチャン・フンドラ(アメリカ)
本来、この試合はチューとキース・サーマンがノンタイトル12回戦で行う予定でしたが、サーマンが負傷したため、アンダーカードに出場予定だったフンドラが、メインに昇格し、しかもダブル世界戦に変更されました。
両選手のプロフィール
ティム・チュー(オーストラリア)WBO世界S・ウェルター級王者
24戦全勝17KO、29歳 オーソドックス
身長 174センチ リーチ 183センチ
父親は元世界S・ライト級王者のコンスタンチン・チューです。
2020年8月にジェフ・ホーンに8RTKO勝ち、2021年には、デニス・ホーガンと対戦し5RTKO勝ちと、まさに破竹の勢いでKOを量産していましたが、その後の2戦(2021年11月の井上岳志戦、2022年3月のテレル・ガウシャ戦)は判定まで粘られていました。しかし、2023年3月にトニー・ハリソンとWBO暫定世界S・ウェルター級王座決定戦を行い、9ラウンドTKO勝ちで、親子2代の世界王座を獲得しました。2023年6月の初防衛戦は77秒でオカンボをマットに沈めました。2023年10月に、この日対戦するフンドラをなぎ倒したブライアン・メンドーサと対戦し、最後まで粘られ、倒しきれませんでしたが、判定で2度目の防衛に成功しました。
セバスチャン・フンドラ(アメリカ)元WBC世界S・ウェルター級暫定王者
22戦20勝13KO1敗1分け、26歳 サウスポー
身長 197cm リーチ 203cm
「タワーリングインフェルノ」というニックネームの通り、このクラスとしては桁違いの長身とリーチの長さが特徴です。しかも接近戦も得意で、好戦的なファイタータイプと言っても間違いではないでしょう。しかし、2022年4月にエリクソン・ルビンとWBC暫定王座決定戦を行い、ダウンの応酬の末、9R終了TKO勝ちで王座を獲得しましたが、この試合でガードの甘さを露呈しましたね。さらに、カルロス・オカンボとの初防衛戦でフンドラの限界が見えてきた気がします。そして、予想的中。2023年4月に7ラウンドKO負けでタイトルを失いました。
展開予想
フンドラの評価が落ちてきたとはいえ、チューにとっては破格の長身サウスポーは、やりづらいでしょね。でもチューが距離と攻撃パターンを把握すれば、ペースを掴んで後半には倒すと思います。しかし。その逆も十分考えられますよ。
試合展開
2ラウンド終盤にフンドラの肘がチューの頭に当たり、チューが出血。かなりの出血で恐らくチューの視界はかなり厳しい状態でしょう。
ここから大きく展開が変わりました。フンドラは鼻血、チューは頭から出血の流血戦になりました。フンドラは長い距離をキープし、ワンツーを放ち、決して無理な打ち合いをしません。
こんな試合は早くにストップすべきだと思いますよ。観るに堪えない壮絶な試合となりました。
結果は2-1(116-112,115-113、112-115)でフンドラの判定勝ちです。
「わしボク」としては、カットした時点で、試合をストップして、後日再戦をした方がよかったと思います。いずれにしても、再戦必至でしょね。