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(出典:WOWOW)
WBC世界フェザー級タイトルマッチ(2022年1月22日)
ゲイリー・ラッセル(アメリカ)VSマーク・マグサヨ(フィリピン)
両選手のプロフィール
ゲイリー・ラッセル(アメリカ)WBC世界フェザー級王者
32戦31勝18KO1敗、33歳 左サウスポースタイル
身長 165cm リーチ 163cm
唯一の1敗は、2014年にワシル・ロマチェンコとWBO世界フェザー級王座決定戦で判定負け(2-0)したものです。2015年に、WBC世界フェザー級王者のジョニゴンことジョニー・ゴンザレスに挑戦し、4RTKO勝ちでタイトルを獲得しています。
その後、何と7年間もタイトルを保持し、5度の防衛に成功しています。ちょっと防衛戦のペースが遅いですね。
マーク・マグサヨ(フィリピン)WBC世界フェザー級2位
23戦全勝16KO、26歳 右オーソドックススタイル
身長 168cm リーチ 173cm
2021年8月、フリオ・セハとダウンの応酬の末10RKO勝ちで、挑戦権を獲得しています。KO率70%の弾丸ファイターです。ラッセルにとっては過去最大の難敵を迎えたと言っていいでしょう。
試合経過)
4Rにラッセルがの故障した右肩の状態が悪化
体格ではマグサヨがかなり大きく見えます。いかにもパワーがありそうですが、スピードではラッセルが上のようです。ラッセルは右ジャブを突いて、左のカウンターを狙っています。マグサヨはサウスポー相手にやや攻めあぐねています。
マグサヨの右の打ち下ろしはかなり強そうです。手数ではマグサヨですが、ラッセルの方が的確にヒットしています。マグサヨのパンチは空を切る場面が目立ちます。
3ラウンドあたりから、マグサヨの右が結構ヒットし出します。なかなか右のタイミングがいいですね。ラッセルはいきなりの左を放ちます。そして、マグサヨの打ち終わりに左を打ち込みます。
ところが、4ラウンド開始、30秒辺りで、ラッセルが右腕をダラリと下げ、明らかに異変が発生したようです。すかさず、マグサヨが攻め込みます。どうやら古傷の右肩の故障が悪化したようです。
左手一本のラッセル、ピンチ?
それでも右で距離を測りながら、左手一本で結構うまく戦います。一方のマグサヨの手数が何故か減ってきましたね。ラッセルはこの左をうまく使って、マグサヨを翻弄します。前に出るマグサヨですが、この左が邪魔で攻めあぐねます。
しかし、6ラウンドあたりから、本来のマグサヨらしいボクシングを取り戻しつつあります。それにしてもラッセルは、左手一本でうまく戦っていますね。逆にマグサヨはこの左手一本のスタイルに戸惑っていますね。
7ラウンドは、さすがにマグサヨもかなりプレッシャーを強めて前に出ます。ラッセルはボディワークをうまく使って、マグサヨのパンチかわします。そして、左カウンター!手数と攻勢ではマグサヨ、少ないながらもクリーンヒットを当てているのはラッセル。微妙な採点になりそうです。
ようやくギアを上げるマグサヨ
8ラウンドの左フックのカウンターが決まって、ようやくマグサヨはギアを上げてきましたね。そして、ラッセルの手数はかなり減ってきました。しかし、マグサヨが前にでるところへ、ラッセルがタイミングよく左ストレートを顔面にヒットさせます。マグサヨはどうしてもこの左が邪魔です。9ラウンド終了間際に、マグサヨのボディブローが効果的にヒットしました。
10ラウンド、11ラウンドはコーナーにはっぱをかけられたのか、積極的にパンチを出して前に出ます。マグサヨはラッセルの左に合わせて、右ボディブローを打ち込みます。ラッセルはもう左のカウンター以外、ほとんどパンチが出なくなりました。11ラウンドはマグサヨがかなり手数を出して攻撃します。ラッセルは防戦一方になってきました。ラッセルは左も出なくなりましたね。
しかし、マグサヨの攻撃も歯がゆいですね。12ランドも、まんまと逃げられてしまいました。
判定は微妙ですね。どうやら2-0のようです。114-114、115-113、115-113、でマグサヨがタイトルを奪取しました。
しかし、完全に右手が使えなくなったラッセルに対して、マグサヨの攻撃が消極的で、がっかりしました。それより、左手一本でマグサヨを翻弄したラッセルのスキルに感服です。「わしボク」としては、ラッセルの勝ちでも良かったと思います。