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WBO世界ライトフライ級タイトルマッチ(2021年10月16日)
エルゥイン・ソト(メキシコ)VSジョナサン・ゴンザレス(プエルトリコ)
この試合は、マイキー・ガルシアVSサンドール・マーティンのアンダーカードで行われました。「わしボク」はソトが中盤までに倒すだろうと思っていましたが…。
両選手のプロフィール
エルウィン・ソト(メキシコ)WBO世界ライトフライ級王者
20戦19勝13KO1敗 24歳 右ボクサータイプ
2019年にアンヘル・アコスタ(今年の9月にアメリカで、中谷潤人に挑戦し4RTKO負け)に12RKO勝ちしてタイトルを獲得。2021年には、高山勝成に9RTKO勝ちして、3度目の防衛に成功しています。
ジョナサン・ゴンザレス(プエルトリコ)WBO世界ライトフライ級1位
28戦24勝14KO3敗1分け 30歳 サウスポータイプ
2019年に田中恒成のタイトルに挑戦し、7RTKO負けを喫しております。世界1位ですが、ややピークを過ぎた感じがしますね。
試合経過)
試合展開は毎回、判で押したように同じでした。最初こそ、ソトが強引にプレッシャーをかけ、ガンガン前に出ますが、ゴンザレスのフットワークに、思うように自分の距離に入れません。ゴンザレスはまるで闘牛士のようにヒラリひらりとソトの突進をかわします。
そのうち、ゴンザレスの足が止まるかと思いましたが、止まったのはソトの勢いでした。ゴンザレスもそれほどパンチを打ち返すわけではありませんが、ソトのパンチはゴンザレスのディフェンスとフットワークで、すべて空を切ります。おそらくクリーンヒットは一発もなかったのではないでしょうか。
こんなに逃げ足の速いゴンザレスを、田中恒成は倒したのですから、井岡一翔に負けたとはいえ、やはり田中の実力は相当なものですね。
とにかく、この「追っかけっこ」が最終ラウンドまで続き、ソトは完全に不完全燃焼のままゴングを聞きました。
判定は2-1(116-112、112-116,116-112)でしたが、ソトの完敗でしたね。しかしゴンザレスのこのボクシングで王座を守り続けるのは難しいでしょうね。とにかくつまらないし、退屈です。奇遇にも、この後のメインでも、マイキー・ガルシアがソトと同じことをやっていました。
ライトフライ級に新星が現れました
その名は、ジェシー・ロドリゲス(アメリカ)。21歳のサウスポーで、WBC8位、WBA2位、WBO4位にランクされています。この日のアンダーカードに登場し、アレハンドロ・ブルゴス(メキシコ)を4RTKOに下しています。
ブルゴスは、23戦18勝15KO4敗1分け、30歳の中堅選手です。
とにかく、スピードが違いすぎます。そして、ディフェンスも素晴らしく、その積極的で隙のない攻撃は見ていてホントに気持ちのいいファイターです。ブルゴスもKO率65%の強打者ですが、全く何もさせてもらえません。
そして、4ラウンドに2度ダウンを奪い、TKO勝ち、全勝をキープしました。パンチの角度がいいし、キレがあります。重いパンチではありませんが、なかなか威力があります。
ちなみに、この日、5試合見ましたが、この試合が一番見応えがありました。
「わしボク」は、このゴンザレスが、現在、ライトフライ級で最強だと思います。ソトに勝ってタイトルを獲得したゴンザレスも、ロドリゲスからは逃げられないでしょう。WBA王者の京口紘人、WBC王者の矢吹正道、そして寺地拳四朗危うしです。