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S・ウェルター級6回戦(2021年10月23日)
ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)VSダン・カーペンシー(アメリカ)
両選手のプロフィール
ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)
10戦全勝7KO、19歳 右オーソドックススタイル 身長 188cm
トップランク社が16歳の時に青田買いしたプエルトリコの天才ボクサーです。相当な期待値を持ってこのリングに上がっています。お手並みをは拝見しましょうか。
ダン・カーペンシー(アメリカ)
13戦9勝4KO3敗1分け、30歳 右オーソドックススタイル 身長 179cm
カーペンシー一家は、兄弟にプロボクサーが多いことで有名です。
試合経過)
1R)
このプエルトリコの新星、見た瞬間、フェリックス・トリニダードを思い出しました。構え方がよく似てますね。早い左ジャブで前に出ます。カーペンシーは後ろ足を軸に、下がりながらザヤスの攻撃をかわしています。
ザヤスがワンツーから左ボディブローを放ちます。スピード抜群です。そして速いワンツー。カーペンシーはクリンチで逃げます。カーペンシーもパンチを返しますが、いずれも空を切ります。ザヤスは上下にワンツーを打ち込みます。カーペンシーがパンチを返しますが、ザヤスは速いステップバックで難なくこれをかわします。
ザヤスはガードも高く、ディフェンス力も優れていますね。残り30秒、カーペンシーが前に出てパンチを放ったところへ、ザヤスの左カウンターがボディにめり込みます。これは効いたようです。ワンツーを放った後、カーペンシーがパンチを返すところには、もうザヤスは速いバックステップで、そこにはいません。
2R)
ザヤスが左ジャブを突いて、右のタイミングを計っています。カーペンシーが大きな左右のフックを放ちますが、いずれも空を切ります。ザヤスはゆっくり構えて、じわじわ前に出ます。中盤、ザヤスが左右のパンチを放ってカーペンシーをロープに詰めます。カーペンシーも上体をゆすって、ザヤスのパンチを何とかかわしています。
ザヤスの左フックがボディから上にパンチをヒットさせます。ザヤスは基本に忠実なボクシングで、上下にパンチを放ちます。左ジャブから入り、カーペンシーがパンチを返すと、速いステップバックでこれをかわします。
3R)
ザヤスは非常に安定した構えをしていますね。パンチを放っても体の軸がぶれることがありません。カーペンシーが接近戦に持ち込むと、すかさず左右のボディを打ち込みます。ザヤスは相手の開いているところへ、的確にパンチを打ち込みます。そして決して無理をしませんね。カーペンシーもパンチを返しますが、ことごとく空を切ります。ガードの上にすら当たりません。ザヤスはパンチを放っても、相手の攻撃をかわしても、決してバランスを崩すことがありません。ラウンド終盤、ザヤスが連打でカーペンシーをコーナーに追いつめます。
4R)
後はいつザヤスが仕留めるかですね。ザヤスが左ジャブを突いて、前に出ます。ザヤスのパンチが面白いようにヒットします。左のアッパーが上下にヒット。この回はかなりザヤスの手数が増えてきました。ザヤスは相手をよく見ていますので、カーペンシーはなかなかつけ入るスキがありません。
終盤、ザヤスが左ジャブから右ストレートを放ち、カーペンシーは防戦一方になります。ロープに詰めてワンツーを放ち、カーペンシーの返すパンチは軽くかわします。もうザヤスのやりたい放題です。そして、決して強いパンチを打ちません。的確なパンチをコツコツをヒットさせています。ここぞという時に温存しているのでしょうか。
そして、カーペンシー陣営からギブアップの申し出があり、ザヤスの4R終了TKO勝ちです。これはまるで、「ロマチェンコ勝ち」ですね。まだまだ、全力で戦っていないような感じです。楽しみな選手が登場しました。2~3年かからずに、世界戦線に浮上してくると思いますよ。間違いなくスター候補です。