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ハイメ・ムンギア(メキシコ)VS井上岳志(ワールドスポーツ)
WBO世界S・ウェルター級タイトルマッチ(2019年1月27日)
ムンギアは、31戦全勝26KO、22歳。
昨年5月に、番狂わせのTKO勝ちでサダム・アリからタイトルを奪取し、その後精力的に防衛戦を重ね、今回が3度目の防衛戦です。いまや、カネロ・アルバレスに次ぐ、メキシコのスーパースター候補と言われています。
井上は、14戦13勝7KO1分け、29歳。WBO3位。
野中悠樹(井岡弘樹)とのIBF2位決定戦に勝って以来、1位ジュリアン・ウィリアムス(アメリカ)との挑戦者決定戦に備えていましたが、なかなか試合が決まらず、この間にムンギア側からオファーがあり、狙いをIBFからWBOにシフトした次第です。
試合経過)
DAZNは、本日9時から配信が始まっています。アンダーカードに登場したバージル・オルティスJRという選手は、すごい戦績ですね。11戦全勝11KO。WBOのS・ライト級13位。今日は、サウスポーにややてこずり、相手の負傷によるTKO勝ち。きれいに倒すことはできませんでした。弱冠20歳、まだまだこれからという感じでしたね。
セミファイナルのヘスス・マヌエル・ロハスVSチャン・シュのWBA世界フェザー級タイトルマッチは、予想通り、たいした山場もなく、見応えのあるパンチもない退屈な12ラウンドでしたね。チャンが非力なパンチながらも、的確性と手数で、予想以上にポイント差をつけてタイトルを獲得しました。
井上が入場してきました。なかなか落ち着いた表情をしています。ムンギアはかなり余裕がありそうですね。
1R)
ムンギアは出てきませんね。左ジャブを突いて様子を見ています。井上は思い切って突っ込み、左右のフックを振り回します。ムンギアは少しやり難そうです。
2R)
ムンギアは、左ジャブから左ボディブロー。井上は結構ガードが固く、ジャブにも反応しています。左のボディブローも読んでいますね。接近した時に井上の右フックが結構ヒットします。馬力では井上が優っているような感じです。大健闘ですよ。
3R)
ムンギアが左ジャブを突いて距離をとり、少し力を込めてパンチを放ってきます。しかし、井上もムンギアのパンチにしっかり反応しています。ムンギアの顔に余裕がなくなってきたようです。接近した時に井上の右フックがヒット。ムンギアはヘッドスリップでパンチを殺していますが、結構この右を嫌がっている感じです。
4R)
パワーではむしろ井上の方が上回っている感じです。ムンギアは下がりながら、左ジャブ、左ボディブローを放ちますが、いつほどパンチにキレがないようです。
5R)
井上の強引な接近戦に、ムンギアは思い通りのボクシングが出来ていないようです。それと、予想以上に井上はガードが堅く、ムンギアにそれほどクリーンヒットを許していません。それでもムンギアの左ジャブからボディブローの上下の打ち分けはうまいですね。
6R)
ムンギアは、左フック、左ボディアッパーと手数が増えてきました。しかし、前に出てプレッシャーをかけるのは井上です。そして、ロープに詰めて放つ右フックは結構、ムンギアの顔面をとらえています。中間距離での打ち合いではやはりムンギアが上。井上が接近するところへ左アッパーをボディにねじ込んできます。
7R)
それにしてもムンギアはやり難そうです。左ジャブを突いて距離を取りますが、井上は強引に突っ込んで、ロープに詰めて、左右のパンチを振り回します。井上の外からの右フックは相変わらずムンギアの顔面にヒットします。
8R)
結構ムンギアの息があがってきたような感じです。動きに疲れが見えます。対する井上は、まだまだスタミナに余裕がありそうです。ムンギアをロープに詰めて、右フックが2発ヒット。
9R)
ムンギアは、明らかに失速しましたね。前半ほどパンチに威力がないように見えます。何だか井上がペースをつかんだような気がします。
10R)
ムンギアは相変わらず下がりながら、左ジャブで距離をとり、執拗にボディブローを放ってきます。しかしロープに詰まると、井上の右フックがムンギアの顔面をとらえています。ラウンド終盤に、ムンギアが連打を畳みかけ、井上が追いつめられますが、ゴングに救われます。かなり、効いたようです。
11R)
しかし、ムンギアはかなりスタミナが切れてきましたね。パンチが大振りで、的中率もかなり落ちてきました。ただ、井上も前に出てプレッシャーをかけるだけで、手が出ていません。
12R)
残されたスタミナは井上が上だと思いますが、大振りで的確性は欠くものの、手数ではやはりムンギアです。井上も必死で応戦しますが、ムンギアも負けていません。
判定は、3-0(120-108、120-108、119-109)と大差がつきましたが、ムンギアにとっては、決して楽な試合ではなかったと思います。明らかに調整失敗でしょう。とはいえ、井上の馬力とガードの堅さ、スタミナには驚かされました。右フックにもう少し威力があれば、ムンギアをピンチに陥れていたでしょうね。井上、大健闘です。恐れ入りました。