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ハイメ・ムンギア(メキシコ)VSリアム・スミス(イギリス)
WBO世界S・ウェルター級タイトルマッチ(2018年7月21日)
(出典:WOWOW)
ムンギアは、ミゲール・コットに引導を渡した、サダム・アリを粉砕してタイトルを獲得。そしてわずか2か月のインターバルで、指名挑戦者のスミスと初防衛戦を行います。
29戦全勝25KO、21歳。
スミスは、本来なら指名挑戦者として、サダム・アリに挑戦するところでしたが、皮膚疾患によりムンギアにチャンスが回ってきたといういきさつがあります。
28戦26勝14KO1敗1分け、29歳。元チャンピオンで、現在WBO1位。
相変わらず口が開いているムンギア
解説の浜田さんが指摘しるように、ムンギアは口を開けて試合を試合をします。
これは「わしボク」も、ムンギアを最初に見たときから気になっていました。
しかし、ムンギアはそんなことはお構いなしに、初回からガンガン前に出てパンチを振り回します。
スミスもしっかり防御しながら、隙を見て反撃しますが、ムンギアは身体が柔らかく、ボディワークも巧みで、うまくスミスのパンチを殺しています。
ムンギアは、手数は多いものの、ややパンチは雑でしかも大振り。序盤はクリーンヒットでは、スミスが上回っていたかもしれません。
右から返しの左ボディが秀逸
3ラウンドあたりから、ムンギアのボディブローが効果的にヒットし出します。
特に右を放った後の、返しの左ボディブローは秀逸ですね。
スミスもコンパクトなパンチで反撃しますが、ムンギアのパワーに次第に押される展開になっていきます。
クロスレンジでのパンチの交錯は、なかなかスリルがあり、ムンギアもスミスのカウンターをもらうシーンがありますが、意外とムンギアはディフェンスの勘がよく、スミスのパンチの芯を微妙に外しています。
そして6ラウンド。
先に、スミスのワンツーがヒットするのですが、そのうち終わりにムンギアの左フックがスミスのテンプルをとらえ、スミスからダウンを奪います。
(スミスのワンツーがムンギアにヒットしていますが)
(その打ち終わりに左フックがスミスのテンプルをとらえます)
パワーの違いが如実に出た感じですね。
スミスもここはカウント8まで、ゆっくり休んで立ち上がり、残り20秒を何とかしのぎます。
最後まで倒しに行くが
その後も、ムンギアは前に出てスミスを追いかけます。
スミスもショートパンチで応戦しますが、ムンギアのパワーに押されっぱなし。
9ラウンドはまたもやスミスがピンチに追い込まれ、ダウン寸前。スミスのカウンターもヒットしてますが、ムンギアはお構いなしにパンチを打ちこんできます。
しかし、スミスもしぶといですね。11ラウンドには、反撃に転じ、なかなかスリリングなパンチの交錯が見られました。
最終回はまたムンギアが倒しに来ます。
さすがに疲れたムンギアはパンチが雑になり、スミスがショートパンチで応戦してきます。
しかし、ペースは最後までムンギアが譲らず、最終ラウンドのゴングが鳴らされました。
判定はもちろん3-0(116-111、117-110、119-108)でムンギアが初防衛に成功しました。
ムンギアは、パワーもさることながら、スタミナも結構ありますね。あれだけ豪快にパンチを放ちながら、最後まで手数は減りませんでした。さすがに終盤はやや疲れが見えましたが、スミスの反撃を許しませんでした。
後は、「口を開けてボクシングをする」ことだけが、どうしても気になります。