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ダニエル・ジェイコブス(アメリカ)VSセルジオ・モーラ(アメリカ)
WBA世界ミドル級タイトルマッチ(2016年9月9日)
(出典:WOWOW)
この両者は昨年8月にダウンの応酬の末、モーラが足首を骨折し、ジェイコブスがTKO勝ちしています。
しかし、モーラはこの裁定に「ノーコンテストだ」と異議と唱え、再戦となりました。
ジェイコブスは4度目の防衛戦。
32戦31勝28KO1敗、29歳。
モーラは34戦28勝9KO4敗2分け、35歳。元WBC世界Sウェルター級王者ですが、現在はWBAミドル級15位です。
ピーター・クイリンを倒したジェイコブスにとっては、モーラはノンタイトル戦のようなものでしょう。
逃げまくるモーラ
初回から倒す気満々でプッシャーをかけるジェイコブスに対して、とにかく下がるばっかりで、前回にダウンを奪った起死回生のカウンター1発だけを狙うモーラ。
ロープに詰まると低いダッキングでジェイコブスのパンチをなんとか回避し、モーラはひたすら逃げまくります。
ジェイコブスも力みすぎて、パワーが空転し、軟体動物のようなモーラをとらえきれません。
力づくで倒すジェイコブス
一方的な展開ではありますが、ジェイコブスのパンチもクリーンにはヒットせず、左にスイッチしたりして、とにかく攻めあぐねているのは明らかです。
4ラウンドに奪ったダウンも上から押し倒したような感じで、直前に放った右フックはモーラのダッキングにかわされています。
(上から力づくで押し潰したようなダウン)
5ラウンド終盤のダウンも、首を引っ掛けて倒したような感じです。
(これも首の後ろから強引に倒した感じです)
唯一モーラにダメージを与えたのは、6ラウンドに放った右ストレートだけでしょう。このパンチでモーラは大きくバランスを崩しましたが、何とか持ちこたえました。
しかし、このラウンドはさすがにモーラもよれよれで、試合の行方はほぼ決まっているのですから、この時点でストップしても良かったかもしれません。
(この右ストレートはこの試合で唯一クリーンヒットしたパンチです)
7ラウンドはジェイコブスのワンマンショーでした。
特にこれといったクリーンヒットはなかったのですが、とにかく力づくで3度のダウンを奪いました。
(1回目は、右で首を引っ掛けたようなダウン)
(2回目のダウンもモーラが自分から膝をついたような感じです)
(最後も上から押し潰したようなダウンです)
とにかく、モーラの体のどこかに当たり、それほどパンチのダメージは感じられないものの、3度もダウンしたら、さすがにストップは仕方がないでしょうね。
もうちょっとすっきりしたパンチで豪快に倒してほしかったですね。
モーラは勝ち目もないのに、なぜギブアップしなかったのでしょう。何を考えてカウント9で2度も立ってきたのか、不思議で仕方がありません。
まあ、これだけ逃げまくる相手に、クリーンヒットを打ち込むのは難しでしょうが、この日のジェイコブスの当て勘の悪さと、雑な攻めは、クイリン戦とは別人のようにひどかったと思います。
次はWBAがゲンナディ・ゴロフキンとの対戦を指示していますが、どうやら実現しないようです。