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ドミトリー・ミヒャレンコ(ロシア)VSカリム・メイフィールド(アメリカ)
USBA全米ウェルター級王座決定戦(2016年1月30日)
(出典:WOWOW)
ミヒャレンコは1ラウンドから10ラウンドまで、まるでパンチングマシーンのように前に出て、ずっとパンチを繰り出していました。
飯田覚士さんが「ミヒャレンコが上手いのは、前に出ながらバックステップを使う」という通り、常に前に出るものの、メイフィールドがパンチを出したときは、うまくバックステップしてかわしていました。
常に前進しながら、コンパクトなパンチをコツコツと当て、10ラウンド終了まで、その手数はほとんど衰えることも、またそのボクシングスタイルも変わることがありませんでした。
ホントに精密機械です。
コバレフのセミファイナルに登場しながらアピールできず
この日のメインはコバレフVSパスカル。ミヒャレンコは、そのセミファイナルで名前を売るチャンスだったにも関わらず、地味で全く印象に残らないボクシングに終始し、ただの前座の選手で終わってしまいました。
もっとひどかったのはメイフィールドです。ミヒャレンコの手数の前に何もできず、動くサンドバック状態で、見せ場は全くなし。スパーリングパートナー以下の存在でしかありませんでした。
といってもミヒャレンコもただ前に出て、手数が多いというだけで、そのパンチには全く威力は感じられず、ナックルも正確に当たっていない雑なパンチをしつこ繰り出すだけです。
10ラウンド全く同じ
1回と最終回はメイフィールドも多少パンチを返していましたが、2ラウンドから9ラウンドまでは全く同じ展開で、まるで同じビデオテープを8回、繰り返して流していたかのような錯覚に陥るほど、判で押したように同じ内容でした。
もちろん結果はミヒャレンコの一方的な大差判定勝ち。これで21戦全勝9KO。
ミヒャレンコはWBA7位、WBO11位、IBF13位にランクしています。
USBAはIBFの傘下の地域タイトルですから、これでIBFのランキングもアップすることは間違いありません。
しかしこのクラスは、ケル・ブルックをはじめ、キース・サーマン、エロール・スペンス、ショーン・ポーター、アミール・カーンなどスター選手ぞろいです。
この地味なボクシングでは、この錚々(そうそう)たるメンバーに割って入るのは難しでしょうね。