世界の一流ボクサー軽量級編:ノニト・ドネア

目次

◆やっぱりドネアですが

 

知名度ナンバーワンはノニト・ドネアでしょう。アメリカで我らが西岡利晃さんとも対戦し、KO勝ちした試合(2012年10月)はまだ記憶に新しいと思います。

私が初めてドネアを見たのは、ビッグ・ダルチニアンとの世界タイトルマッチでした。これはもう、度肝を抜かれましたね。

 

ドネアが世界フライ級チャンピオン、ビッグ・ダルチニアンをKOしたのですから。(2007年7月)

ダルチニアンといえば当時の軽量級のスーパースターでしたから、無名のドネアがまさか勝つとは誰も予想しなかったでしょう。それは私も同じです。世界中をあっと言わせた試合でした。

ウラジミール・シドレンコを圧倒的なパワーでKOした時は、「これはとんでもない怪物だ」と、思ったものです。なにせ、あの鉄壁のガードで守りの堅いシドレンコを、力でねじ伏せたのですから、もう驚いたのなんの

彼のピークは、長谷川穂積さんをKOした、フェルナンド・モンティエルを左フック一発でマットに沈めた時ですね。倒れてけいれんしいてるモンティエルの足が、未だに脳裏に焼き付いています。(2011年2月)

 

 

◆しかしドネアも

 

でもこの頃を境にしてドネアのパンチの切れや体の切れが無くなってきましたね。

安易にウエイトを上げていったからだと思います。もちろん複数階級制覇の野望もあるでしょうが、試合の無いときの(誰かの試合でインタビューを受けているときなど)彼の体はホントにぼてっとして、「この体を絞るのは大変だろうな」とよけいな心配をした記憶が何度もあります。太りやすい体質なんでしょうね。

スーパーバンタム級でギジェルモ・リコンドーと対戦したときは、もうシドレンコを力ずくで倒したドネアとは別人でしたね。
今やギジェルモ・リコンドーは軽量級世界最強と言われていますし、対戦した当時(2013年4月)も、もうすでに最強と言われていましたが、ドネアも最強でしたから、軽量級最大の決戦となった訳です。
ところが、ドネアの強打が空転するばかりで、リコンドーのディフェンスのうまさだけが残った、まるでメイウェザーの軽量級版のような試合でした。そしてリコンドーが強いというより、「ドネアが遅い、切れが無い、ピークが過ぎた」という印象を強く持ちました。

 

◆もうドネアではない

 

このあと、ドネアはフェザー級にあげタイトルを獲得、五階級制覇成し遂げましたが、もうこれは付け足しですね。晩年のオスカー・デラ・ホーヤを思い出しました。

こんな話をすると、ドネアがもう引退したみたいですが、まだ現役のWBA世界フェザー級チャンピオンです。ただ、私の中ではもう引退しています。今のドネアは違うドネアです。

 

でも、今の違うドネアにも、

 

日本人は誰もかなわないのが残念です。

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