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IBF世界S・フェザー級王座決定戦(2021年11月27日)
アジンガ・フジレ(南アフリカ)VS尾川堅一(帝拳)
両選手のプロフィール
アジンガ・フジレ(南アフリカ)IBF世界S・フェザー級2位
16戦15勝9KO1敗、25歳
身長 174cm 左サウスポースタイル
唯一の1敗は、2019年9月にシャフカット・ラヒモフ(タジキスタン)と対戦し、8RTKO負けしたものです。このラヒモフは、尾川が8月20日にドバイで対戦予定だった相手です。直近の試合では、2021年5月にマーティン・ウォード(イギリス)に8RTKO勝ちしています。
尾川堅一(帝拳)IBF世界S・フェザー級3位
28戦25勝18KO1敗1分け1NC、33歳
身長 173cm 右オーソドックススタイル
2017年にテビン・ファーマー(アメリカ)とIBF王座決定戦を行い、2-1の判定でタイトルを獲得したのですが、その後のドーピング検査で禁止薬物に陽性反応が出て、試合はノーコンテスト、もちろん尾川の王座獲得は無効となりました。
直近の試合は、あまり褒められた内容ではありません。2019年12月のジョー・ノイナイ戦は負傷引き分けとなりましたが、かなり苦戦していましたね。そして、2020年10月の西谷和宏戦では、ダウンを喫しています。これはかなり効いていましたね。尾川の打たれもろさを露呈した試合でした。
今年の8月20日にドバイで予定されていた王座決定戦は、相手(シャフカット・ラヒモフ)のケガで延期になってしまい、ようやく今回の試合が決まったという次第です。
試合経過)
両選手とも前日計量を1回でクリアしています。なんとなくフジレの表情がさえない気がしますが、まあ写真じゃわかりませんね。とにかくやっと試合が行われるようなので、ほっとしています。
ただ、同じ時刻に、WOWOWオンデマンドで、フィゲロアVSフルトンのWBC・WBO世界S・バンタム級王座統一戦が、午後0時から、生配信されます。
両選手がリング上で対峙すると、やや尾川の方が大きく見えます。それと、フジレの顎がなんとなく打たれ弱そうに見えます。
序盤
お互いジャブを突きながら、様子を探っています。そして、2ラウンドあたりから、尾川がじりじりと前に出て、フジレをロープに追いつめます。しかし、左のカウンターがあるので、なかなかパンチが出ません。フジレは上体が柔らかく、ディフェンスもうまいので、尾川のパンチがヒットしません。
前に出るがあまり手の出ない尾川、下がりながらロープに詰まると左を放ってくるフジレ、という展開が続きます。
中盤
5ラウンド中盤、尾川の右ストレートがフジレの顎をとらえ、フジレがダウン!
残り1分、しかしフジレは必死で逃げてゴングに救われます。
その後はまた同じ展開が続きます。尾川が前に出て、ロープに詰まると、先に手を出すのはフジレです。フジレのディフェンスがうまいので、尾川はなかなか攻め切れません。それでも尾川に少しずつリズムが出てきて、手数も増え、逆にフジレのパンチに正確性がなくなってきました。フジレは少し腰が引けています。
しかし、フジレのダメージは8ラウンドごろからほぼ回復し、左のタイミングも戻ってきました。尾川は相変わらず、前に出るものの、手数が少ないですね。5ラウンドのダウンが帳消しになりそうな展開です。
終盤
フジレが逆に前に出てきました。フジレのパンチにはまだスピードもキレもあります。尾川は下がりながら、無理をせず、フェイントの掛け合いだけで、手数は少ないですね。思い切って右を打ち込んでほしいものです。このままだと、採点は微妙ですよ。
最終ラウンドは、セコンドにハッパをかけられた尾川が、また前に出ます。しかし、フジレも下がりません。そして、ラウンド中盤、尾川の右ストレートがジャストミート!フジレが膝をついて2度目のダウンを喫しました。かなりダメージがありますね。残り30秒弱。また尾川の右ストレートがフジレの顎をとらえ、下がるようにしてダウン!
立つな!と思いましたが、立ってきたところで、ゴングが鳴りました。
判定は3-0で尾川の勝利ですが、ポイント差は3~5ポイント。最後の2度ダウンがなければ、微妙な採点になっていましたね。ともかく、王座獲得、おめでとうございます。今度はドーピングで失格にならないようにお願いします。