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(出典:WOWOW)
この試合は、本来、カシメロの防衛戦の予定でしたが、減量にサウナを使ったことで失格、世界戦に出場できなくなりました。そこで急きょ、ジョナス・サルタンが代役で、暫定王座決定戦をやることになった次第です。
WBO世界バンタム級暫定王座決定戦
ポール・バトラー(イギリス)VSジョナス・スルタン(フィリピン)
カシメロがまた何かやらかすかもしれないと思い、リザーブ選手を用意していたようです。
両選手のプロフィール
ポール・バトラー(イギリス)WBO世界バンタム級1位
35戦33勝15KO2敗、33歳 オーソドックススタイル
身長 168cm
2014年6月、IBF世界バンタム級王者のスチュアート・ホールに挑戦し、2‐1の判定でタイトル獲得に成功しました。その後、タイトルを返上し、IBF世界S・フライ級王者のゾラニ・テテに挑戦。プロ初黒星のTKO負けで、2階級制覇に失敗しました。2018年5月にエマヌエル・ロドリゲス(WBSSの準決勝で井上尚弥にTKO負け)に判定負けして、タイトル獲得に失敗しています。
ジョナス・スルタン(フィリピン)WBO世界バンタム級4位
23戦18勝11KO5敗、30歳 オーソドックススタイル
身長 163cm
2017年9月にジョンリール・カシメロと対戦し判定で勝っています。しかし、翌年の5月にIBF世界S・フライ級王者のジェルウィン・アンカハスに挑戦し、判定負けでタイトル獲得に失敗しました。2021年1月にカルロス・カラバロとWBOインターコンチネンタルバンタム級王座決定戦で判定勝ちし、タイトルを獲得しました。
試合展開
前に出るスルタンに対して距離を取るバトラー
ガードをしっかり固めたバトラーに対して、スルタンはやや低いガードでジャブを放ちます。スルタンのパンチは重そうですね。前に出るのはスルタンで、バトラーは下がりながら自分の距離を保ちます。スルタンは右フックを思い切り打ってきますね。しかし、バトラーはガードが堅く、クリーンヒットを許しません。そして打ち終わりにコンパクトなパンチを返します。
中盤は、イギリスのテクニシャン対フィリピンファイター
パンチの的確性では、バトラーですね。しかし、パワーはスルタンの方があります。スルタンの攻勢が止まると、すかさずバトラーがコンパクトにワンツーを放ちます。試合中盤辺りから、バトラーがペースを握った感じです。
スルタンのパンチが、空を切るようになり、その打ち終わりにバトラーが的確にパンチを打ち込みます。スルタンはガードの堅いバトラーに攻めあぐねています。
バトラーのフットワークについていけないスルタン
スルタンが打ち込み、ステップバックでバトラーがこれをかわし、コンパクトなパンチを返します。そして、少しずつバトラーが前に出るようになってきました。スルタンは試合後半になって、少しずつ手数が減っていたような気がします。それでも強引にパンチを打ち込んでいきます。7ラウンドは、スルタンのパンチも時折ヒットしました。
8ラウンドは、バトラーが少しスタミナを温存している感じで、スルタンのパンチを何発かもらっていました。
終盤スルタンが反撃に出るがバトラーは冷静に対処
9ラウンドあたりから、またスルタンが強引に前に出てきました。バトラーはやや疲れたのか、手数が減ってきた感じです。それでもスルタンの打ち終わりにパンチを返します。パンチの的確性はやはりバトラーですね。
前に出るスルタンに対して、先に手を出すのはバトラーです。バトラーは無理をせず、スルタンの攻撃をフットワークでさばきます。スルタンは最後まであきらめずに追いかけます。しかし、バトラーは的確なパンチを返します。最終ラウンドは、バトラーが逃切り態勢で応戦しゴングを聞きます。
判定はバトラー
3-0(116-112,118-110,117-111)で、バトラーが判定でタイトルを獲得しました。
しかし、井上尚弥の相手としては、全く力不足ですね。井上ならあっさり前半で倒すでしょう。それよりも、井上はドネア戦後は、階級を上げると思いますので、バトラーと対戦することはないと思います。