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(出典:WOWOW)
WBCシルバー・ライト級タイトルマッチ(2022年2月2月19日)
シルバー王座:WBCが創設した暫定王座みたいのものです。このほかにダイヤモンド王座やインターナショナル王座とか、よくわからいないタイトルを乱造しています。WBAもむちゃくちゃですよ。
ホルヘ・リナレス(ベネズエラ・帝拳)VSザウル・アブドゥラエフ(ロシア)
両選手のプロフィール
ホルヘ・リナレス(ベネズエラ・帝拳)WBC世界ライト級6位
53戦47勝29KO6敗、36歳 右オーソドックススタイル
身長 173cm リーチ 176cm
元3階級制覇王者。キャリア20年の中で「わしボク」一番印象に残っているのは、2009年10月に、ファン・カルロス・サルガドを相手にした、WBA世界ライト級王座の2度目の防衛戦です。まさかの1ラウンドTKO負けでタイトル防衛に失敗しました。衝撃的でしたね。そして、これが初めての黒星でした。このタイトルを取り返したのが、「わしボク」の大好きな内山高志さんです。
ザウル・アブドゥラエフ(ロシア)WBCシルバー・ライト級王者、WBC4位
15戦14勝8KO1敗、27歳 右オーソドックススタイル
身長175cm
2019年9月にデビン・ヘイニーとWBC世界ライト級暫定王座決定戦を行い、4R棄権によるTKO負けを喫したのが、唯一の敗戦です。その後、2021年9月に、WBCシルバーライト級王座決定戦で判定勝ちし、タイトルを獲得、この日が初防衛戦です。
試合展開
前半はリナレスのスピードでペースをつかむ
序盤は、リナレスがスピードと左ジャブで優位に立ちました。ボディブローも効果的ですね。アブドゥラエフはかなりリーチが長そうで、ガードも堅く左ジャブも重い感じがします。
スピードのリナレス対パワーのアブドゥラエフ、という対戦ですね。前半は完全にリナレスのスピードが、パワーを制していました。リナレスはディフェンスが巧みで、ボディブローも上手い。そして、コンビネーションが多彩です。ただ、アブドゥラエフの左ジャブは威力があります。アブドゥラエフは前にでるものの、あまり手が出ません。
中盤辺りから距離が詰まり、アブドゥラエフの手数も増える
6ラウンド辺りから、アブドゥラエフのプレッシャーが強くなり、手数も増えてきました。しかし、先に手を出すのは、リナレスの左ジャブで、さらに、シャープなボディブローでアブドゥラエフはなかなか思うように攻撃できません。それにしても、アブドゥラエフはタフですね。ボディブローをかなりもらってますが、特に効いた感じがありません。
8ラウンドからアブドゥラエフの攻勢にリナレスが押される
アブドゥラエフの左ジャブがヒットし出し、プレッシャーも強くなってきました。リナレスは左ジャブからボディブロデーで応戦しますが、少しずつアブドゥラエフのパンチが、リナレスをとらえるようになってきました。パンチのパワーで上回るアブドゥラエフが、左ジャブを突いて、リナレスを追いかけます。アブドゥラエフのボディブローもヒットし出します。リナレスはだんだん被弾が多くなってきましたね。
リナレスはかなり苦しくなってきました。防戦一方です。ジャブに的確性がなくなり、威力もかなり落ちてきました。アブドゥラエフの前進を止めることが出来ません。しかし、このまま逃げ切れば、ポイントではリナレスがリードしているはずです。
魔の最終ラウンド
アブドゥラエフがガンガン出てきました。リナレスも必死に応戦します。左の相打ちですが、威力が違います。そして、残り1分13秒。アブドゥラエフの右フックがカウンター気味にリナレスの顎をきれいにとらえ、リナレスがダウン!これは~効いた!
立ってきたリナレスですが、まだ1分あります。そして、またアブドゥラエフの左フックで、リナレスが2度目のダウンを喫します。終わりか。何とか立ってきたリナレスですが、さらにアブドゥラエフの連打を浴び、レフリーが試合をストップしました。
11ラウンドまでの採点では、2-1(107-102,106-103,103-106)でリナレスがリードしていました。まさに魔の12ラウンドでしたね。
これで、アブドゥラエフは、再度WBC王者のデビン・ヘイニーに挑戦するのでしょうね。リナレスは、RCCと後2試合プロモート契約がありますが、さてどうするのでしょうか。