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(出典:WOWOW)
ジェイソン・マロニー(オーストラリア)VSナワポーン・ソールンビサイ(タイ)
WBC世界バンタム級挑戦者決定戦(2022年10月16日)
両選手のプロフィール
ジェイソン・マロニー(オーストラリア)WBC世界バンタム級1位
26戦24勝19KO2敗、31歳 オーソドックススタイル
2018年5月に河野公平に6RTKO勝ちしましたが、2018年10月に、IBF王者のエマヌエル・ロドリゲスに挑戦し判定負けしました。そして、2020年10月、ラスベガスでWBA&IBF世界バンタム級王者の井上尚弥に挑戦し、7RKO負けを喫しました。その後は3連勝して、再び世界戦線に浮上してきました。
ナワポーン・ソールンビサイ(タイ)WBC世界バンタム級2位
58戦56勝46KO1敗1分け、31歳 オーソドックススタイル
2017年3月、WBC世界フライ級王座決定戦でファン・エルナンデスに3RKOを喫し、タイトル獲得に失敗しました。2018年4月にアムナット・ルエンロンにTKO勝ちし、現在12連続KO勝利中です。
試合展開
序盤マロニーが手数でペースをつかむ
ナワポーンが一まわり大きく見えます。序盤からマロニーが手数でペースをつかみます。前に出るのはナワポーンですが、手数が少ないですね。先に手を出すのはマロニーです。ナワポーンはパンチの振りが大きく、スピードもあまりないような感じです。
3ラウンドからナワポーンがプレスを強める
3ラウンドからナワポーンがプレッシャーを強めて、パンチも強めに放ってきました。マロニーは少しパワーで押されています。ナワポーンのパンチは重そうですね。マロニーも下がりながら、コンパクトなパンチを返します。パンチの的確さではマロニーが上ですね。
ナワポーンが徐々にパワーアップしてきましたが、ワンパターンの攻撃がマロニーに読まれている感じです。5ラウンドはマロニーのボディ攻撃が効果的でした。
6ラウンドはマロニーが下がりながら的確にパンチを放っています。ナワポーンはとにかく前に出ますが、効果的なパンチがありません。
後半もマロニーがペースを譲らず
前に出るナワポーンに対して、マロニーは下がりながら先にパンチを放ちます。ナワポーンも攻撃をボディに切り替えて、圧力をかけますが、マロニーがガードが甘くなった顔面にカウンターを決めて、ペースを譲りません。8ラウンドにはアッパーを決めて、一瞬ナワポーンの動きが止まりました。
終盤、ナワポーンはペースダウン
マロニーの足は終盤になっても止まりません。ワンパターンのナワポーンに対して、マロニーがほぼ一方的な展開になってきました。ナワポーンの前に出る圧力が弱くなってきました。9ラウンドはややマロニーが前に出る展開になってきました。
10ラウンドは勝負に出たナワポーンが強引に前に出て、ラウンド終盤にナワポーンのパンチがヒットし、マロニーがやや体勢を崩すシーンがありました。しかし、11ラウンドは、ナワポーンがマロニーのボディから返しの左フックをもらい、のけぞります。その後もマロニーが一方的に連打を畳みかけます。
判定は3-0(118-110,118ー110,119ー109)。大差でマロニーが挑戦権を獲得しました。この試合は、マロニーのうまさだけが目立った展開でしたね。マロニーは井上戦よりさらにスキルアップしているように思いました。
これでマロニーはWBCタイトルへの挑戦権を獲得しましたが、井上がバトラーに勝って4団体統一王者になった場合は、井上が階級を上げ、WBCの王座が空位になる可能性が濃厚です。ここで、登場するのが、ノニト・ドネアです。どうやら空位になった王座の決定戦は、マロニーVSドネアとなりそうです。