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(出典:WOWOW)
WBC・IBF世界L・ヘビー級タイトルマッチ(2021年12月17日)
アルツール・ベテルビエフ(ロシア)VSマーカス・ブラウン(アメリカ)
両選手のプロフィール
アルツール・ベテルビエフ(ロシア)WBC・IBF世界L・ヘビー級王者
16戦全勝16KO、36歳 右オーソドックススタイル
身長 182cm リーチ 185cm
2017年、エンリコ・コーリングとIBF世界L・ヘビー級王座決定戦を行い、12RKO勝ちでタイトルを獲得しています。2019年にはオレクサンドル・グウォシクに10RTKOして、WBCのタイトルも獲得しています。ここまで、全勝でしかもKO率100%。世界ナンバーワンのハードパンチャーと言えるでしょう。今回の防衛戦の相手のブラウンは、長身のサウスポーだけに、少してこずるかもしれませんね。
マーカス・ブラウン(アメリカ)元WBA暫定世界L・ヘビー級王者・WBC1位
25戦24勝16KO1敗、31歳 左サウスポースタイル
身長 187cm リーチ 192cm
2019年にバドゥ・ジャックに判定勝ちして、WBA暫定世界L・ヘビー級タイトルを獲得しています。しかし、同年8月にジャン・パスカルと対戦し8回負傷判定で敗れ、初防衛に失敗しました。
2021年4月に再起戦を判定で勝利し、タイトル挑戦権を獲得しています。
試合経過
1R)
早くもベテルビエフがプレッシャーをかけて前に出ます。ブラウンは右ジャブを突いて距離を取ります。しかし、ベテルビエフはじわじわと距離を詰めます。ブラウンは素早いフットワークで、ベテルビエフの攻撃をかわしています。まだベテルビエフの強打はヒットしていません。
2R)
1Rと同じ展開です。プレッシャーは初回より強くなっていますね。ブラウンは右ジャブから左ストレートのカウンターで必死に応戦します。ベテルビエフのクリーンヒットはまだ一発もありません。ブラウンはうまくディフェンスでかわしています。
3R)
やはり予想通り、ベテルビエフはサウスポーの相手はやり難そうですね。
ベテルビエフがじわじわと前に出ます。ブラウンは軽快なフットワークで、軽く捌いています。そして、隙を見て反撃に転じます。うまいですね。ベテルビエフは前にでるものの、パンチが出ません。その隙を狙って、ブラウンが先にパンチを放っています。ベテルビエフは軽いパンチで、タイミングと距離を計っていますね。そして、そろそろ右ストレートの距離が合ってきた感じです。しかし、ブラウンも下がりながら、速い右ジャブを返します。
中盤から、ブラウンがロープに詰まるシーンが多くなってきましたよ。ベテルビエフの左ジャブも当たり出しました。手数も増えてきましたね。ブラウンは、必死で反撃します。終盤はベテルビエフの連打で、ブラウンがロープに詰まります。
4R)
接近戦で頭が当たって、カットしたようです。ベテルビエフかな?眉間と胸のあたりに血が見えます。ビデオ再生を見ますと、ブラウンの右フックが当たってカットしたように見えます。お互いちょとエキサイトして、ダーティなもみ合い、打ち合いになっています。
ラウンド中盤辺りから、ベテルビエフがギアを上げてきました。出血がパンチによるものででしたら、TKO負けになる恐れがあるからでしょうか。かなり力を込めて左右のフックを打ち込んでいます。
ブラウンも撃ち返しますが、ベテルビエフのパンチはモーションが小さいので、カウンターをとりにくいようです。
5R)
ドクターチェックです。ブラウンも少しカットしたようですね。しかし、ベテルビエフの傷はかなり深いようです。こうなったら倒すしかありません。ベテルビエフがブラウンに襲い掛かりますが、ブラウンも少し余裕が出てきた気がします。ベテルビエフの攻撃に合間に、右ジャブを突いて反撃しています。ただ、ロープに詰まる時間は多くなりました。ラウンド終盤、ベテルビエフがショートの左右フックの連打で、ブラウンは防戦一方になります。
6R)
ベテルビエフがプレッシャーをかけ、前に出ます。ブラウンも左ジャブを返しますが、ベテルビエフはお構いなしにパンチを打ち込みます。ブラウンはもう防戦一方です。苦し紛れの右フックを打ちかえしますが、ベテルビエフのプレッシャーが強すぎて、効果はあまりありません。終盤はまた、ベテルビエフが猛攻を見せます。
7R)
ブラウンは必死にジャブを放ち、ベテルビエフの攻撃をかわしています。しかし、ベテルビエフの前進は止まりません。1分過ぎ、ベテルビエフがまたショートのフックを上下に打ち分け、ブラウンをロープに詰めます。そして、ちょうどラウンド中盤、ベテルビエフがブラウンをロープに詰め、左ボディブローから、右ストレートを打ち込み、ブラウンがついにダウン!
カウント8で何とか立ってきましたが、ボディがかなり効いていますね。ベテルビエフは軽い左右のフックで攻め立てます。っブラウンもボディワークで必死に防戦します。終盤はベテルビエフがブラウンのガードの隙間へ、左右のパンチを打ち込みます。
8R)
ベテルビエフがプレッシャーをかけ、前に出ます。しかし、ブラウンも必死で打ち返しています。これ以上この状態が続けば、倒されると思ったのでしょう。最後の力で反撃しています。結構力を込めてパンチを放っています。でも長くは続きません。ベテルビエフは相変わらずじわじわ前に出て、左右のパンチを放ちます。だだ、ベテルビエフの手数が少し減ったような気がします。
9R)
さあ、ベテルビエフが行きます。そして、コーナーに詰めてボディの連打に、ブラウンがたまらず腰を落とします。2度目のダウンです。レフリーがカウントしますが、立てません。
ベテルビエフが9R46秒、KO勝ちで、タイトルを防衛するとともに、パーフェクトレコードもキープしました。ただ、今回はカットするなどかなり苦戦した印象が残りました。36歳、やや衰えが出てきたのか、若しくはサウスポー相手がやや苦手なのか。「わしボク」の希望としては、もっと短いインターバルで試合をこなしてほしいと思います。これだけ強いと、相手探しも大変でしょうが。