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オスカル・バルデス(メキシコ)VSアダム・ロペス(アメリカ)
WBC世界S・フェザー級挑戦者決定戦(2019年11月9日)
バルデスは、26戦全勝20KO、28歳。WBC1位。166cm(リーチ168cm)。
6度防衛したWBOフェザー雄王座を返上し、S・フェザー級に転向。KO率77%のハードヒッターです。
ロペスは、14戦13勝6KO1敗、23歳。175cm(リーチ177cm)。
NABF北米ジュニア フェザー級チャンピオン。前日計量で体重超過した選手(アンドレス・グティエレス)の代役です。
試合経過)
1R)バルデスが距離を詰める
9cm背の高いロペスに対して、バルデスが腰を落として、左ジャブを突きながら距離を詰めます。ラウンド中盤からバルデスがプレッシャーを強めて、左右のフックを放ちます。左ボディが効果的にヒットしています。しかし、ロペスは、バルデスの動きをよく見ていますね。
2R)バルデスがダウン
ロペスは下がりながら左ジャブを放ち、代役にしては、なかなかキビキビした動きをしていますね。バルデスはこの回もプレッシャーをかけて、前に出ます。ロペスはバルデスの打ち終わりに、コンパクトなパンチを返しています。
ジャブの差し合いでは、9cmリーチの短いバルデスのパンチがヒットしています。ロペスは下がりながらカウンターを狙っていますが、距離はかなり詰まってきています。
しかし、残り1分、ロペスの右フックがバルデスのテンプルをとらえ、返しの左フックで、なんとバルデスがダウンを奪われました。
すぐに立ってきたバルデスに、ロペスが追い打ちをかけますが、ここは何とかガードを固めてしのぎ切ります。
3R)バルデスがプレッシャーを強める
バルデスがプレッシャーを強めて前に出ます。ロペスはカウンターを狙っていますが、バルデスの左ジャブの方がシャープです。バルデスの手数も増えてきました。ロペスもパンチを返しますが、やや押され気味になってきましたね。
ラウンド終盤、バルデスの左フックがカウンター気味にロペスの顎をとらえ、ロペスが体勢を崩します。ロペスも必死に反撃しますが、パンチの威力が違いますね。
4R)ロペスも応戦
バルデスがぐいぐい前に出ます。ロペスも負けずに応戦します。ラウンド中盤、バルデスの右フックがヒット。ロペスもパンチを返しますが、バルデスはボディワークで、クリーンヒットを許しません。
5R)ロペスが反撃に転じる
バルデスがかなり強めにパンチを放ってきました。しかし、ちょっと強引ですね。1分過ぎに、ロペスが結構いいパンチを返して、バルデスを下がらせます。
ラウンド後半は、ロペスの動きに、やや余裕が感じられるようになってきました。そして、終盤、ロペスが連打でバルデスをロープに詰めますが、バルデスもほとんどのパンチは、ボディワークでクリーンヒットを許していません。ただ、バルデスにやや焦りが感じられますね。パンチの打ち方が雑になってきました。
6R)バルデスがやや失速
バルデスが強引に前に出ますが、ロペスはフットワークでバルデスのパンチを外し、打ち終わりにボディへパンチを返します。この回も、ロペス方攻勢が目立ちます。バルデスのパンチをうまくボディワークで殺しています。
手数でもロペスが上回っていますね。バルデスはダウンを挽回しようとして、スタミナをかなり消耗した感じがします。ラウンド終盤には、ロペスのノーモーションの右がバルデスの顔面にヒット。バルデスはやや失速気味です。
7R)バルデスの左フックがヒット
バルデスがまた、プレッシャーを強めてきました。しかし、ロペスもバルデスの打ち終わりに、ワンツーを返します。
そして、ラウンド中盤、ロペスが不用意に左を伸ばしたところへ、バルデスのショートフックがロペスの顎にヒットし、ロペスの足がばたつきます。さらに左右の連打を畳みかけると、今度はロペスがロープに腰帰るようにダウンしました。ロペスはちょっと油断しましたね。
何とか立ってきたロペスですが、かなり効いています。バルデスが連打で襲い掛かりますが、ロペスもしぶとく応戦します。このまま、逃げ切るかと思われましたが、残り10数秒のところで、バルデスの猛攻に、ロペスが防戦一方になり、レフリーが試合をストップしました。
バルデスが、7RTKO勝ちで、WBC世界S・フェザー級タイトルへの挑戦権を獲得しました。バルデスの最後の畳みかけは見事でしたね。しかし、この試合、6ラウンドまでの採点では、ロペスがリードしていたと思いますよ。
代役のロペスに大苦戦の末の逆転TKO勝ち。この試合を見る限り、ミゲール・ベルチェルトに倒されるでしょう。