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小國以載(角海老宝石)VS岩佐亮佑(セレス)
IBF世界S・バンタム級タイトルマッチ(9月13日)
(小國のボディブロー) (岩佐の左ストレート)
小國は圧倒的に不利な予想を覆し、見事タイトルを奪取し、ボクシングファンをあっと言わせました。キャラクターも面白いですね。
21戦19勝7KO1敗1分け、29歳のオーソドックススタイル。
ジョナタン・グスマン戦で負傷したため、試合が伸びていました。
これが初防衛戦です。
岩佐は、待ちくたびれたでしょうね。
アメリカで挑戦者決定戦をやる予定が、相手の体重オーバーで試合がキャンセルになり、戦わずして挑戦権を獲得しました。
しかし、それが昨年の11月20日です。
調整試合を挟みましたが、結果、約10か月も待たされたことになります。
25戦23勝15KO2敗、27歳のサウスポーです。IBF3位にランクされています。
能力は岩佐が断然上です
パンチ力、スピード、テクニックは明らかに岩佐が上でしょう。
実際、アマチュアで対戦した時は、岩佐が圧勝しています。
岩佐の弱点は打たれ弱いこと。それとサウスポーと戦うときに、極端に距離感が悪くなることです。あと、後半になると少し集中力を欠く悪い癖があります。
でもそのボクシングセンスは、日本のボクサーの中では群を抜いています。
小國はグスマンに勝つまでは、申し訳ないですけど、これといった武器もない地味なボクサーで、とても世界を狙える器ではないと思っていました。
しかし、彼は頭のいいボクサーですね。戦略、試合の組み立て方がとても優れているように思います。
小國が唯一の一敗(しかもTKO負け)を喫している和氣慎吾は、グスマン戦で眼窩底骨折、そして鼻や肋骨を折って1月の入院生活送っています。
小國も手を負傷しましたが、グスマンの強打に最後まで耐え抜いたフィジカルの強さは大したものです。
(和氣は7月19日に元・日本スーパーバンタム級暫定王者・瀬藤幹人(37=協栄ジム)と再起戦を行います。)
気になる試合の行方
岩佐でもう一つ気になることは、最近の試合に、以前ほどの「強さ」が感じられなことです。日本タイトルマッチで益田健太郎をTKOで倒した時は、ホントに強くて上手くて、すぐにでも世界を狙えると確信しました。
イギリスでリー・ハスキンスにTKO負けしてから、おかしくなりましたね。
少し前なら、9-1で岩佐が有利と、いや、絶対に岩佐が勝つ、と断言できたでしょうが、今なら6-4ぐらいで岩佐かな?という感じです。
小國は岩佐を十分研究してくるでしょう。
前半、岩佐の攻勢をうまく流して、後半勝負だと思います。
スタミナ勝負なら小國。集中力を欠くと岩佐も危ないですよ。
岩佐の救いは小國が右構えだということです。
岩佐の2敗は、山中慎介とリー・ハスキンス。いずれもサウスポーです。
間違いなく岩佐はサウスポーが苦手です。
その点を考えると、右構えの小國に対して、早い回から自分の距離をつかみ、そして、岩佐が本来の力を発揮すれば、中盤辺りにKOもあり得ます。
小國のフィジカルの強さに岩佐が攻めあぐね、スタミナを消耗すると、後半、小國の反撃に合い、終盤に小國劇的逆転KO劇も十分考えられます。
いずれにしても、私にとっては、とても楽しみな一戦であることは間違いありません。