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亀海喜寛VSヘスス・ソト・カラス(メキシコ)
Sウェルター級10回戦(2016年4月15日)
(出典:WOWOW)
亀海はアメリカでの試合はおそらくこれで7戦目です。過去2勝2KO3敗1分。残念ながら名のある選手にはまだ一度も勝っていません。
30戦26勝23KO3敗1分、33歳。
ソト・カラスはすでに峠は越しており、世界ランキングからも姿を消していますが、過去の対戦相手には錚々たる名前が並んでいます。
マルコス・マイダナ、キース・サーマン、デボン・アレキサンダーには敗れていますが、2013年7月、アンドレ・ベルトにTKO勝ちしたときは世界をあっと言わせました。消耗戦に持ち込まれたら厄介な相手です。
42戦28勝18KO10敗3分1NC,34歳。
共通の対戦相手にアルフォンソ・ゴメスがいます。(ソト・カラスは2009年11月、亀海は2015年3月、いずれも判定で敗れています)
ファイター対決?
意外なことに、亀海はアメリカではファイターで名が通っています。おそらくロバート・ゲレロやアルフォンソ・ゴメス戦の激戦が評価されたのでしょう。
もちろんソト・カラスは、止まることのない連打のファイターで、今でも人気があります。
日本で対戦すれば勝てる相手でしょう。しかし、アメリカでは軽いパンチでも当たれば評価されますが、なぜかボディブローはポイントに結びつかない傾向があります。
亀海は相手のパンチを殺しながら自分の強いパンチを当てるタイプで、しかもボディブローが上手い。これは、アメリカでの試合では印象が悪いボクシングと言えます。
序盤からお互い接近して、まさにファイター対決にふさわしいボクシングを展開します。
ソト・カラスは解説の西岡利晃さんいわく「ロングもショートも得意」で接近すれば腕をうまく折りたたんで回転の速い連打を打ちますし、離れても長い右が予想以上に伸びてきます。
決してパンチにスピードはないのですが、パンチの角度がいいのと、見えないところから飛んでくるので、亀海は結構被弾していました。
テレビ解説者の採点は7ラウンドでドロー
私には亀海がやや押しているように見えましたが、現地のテレビ解説者の採点では7ラウンドを終わって67-67のドローでした。
ソト・カラスは亀海のボディブローをかなり嫌がっているように見えましたが、やはりこれはあまり評価されていないのでしょう。
むしろ、とにかく手数が多く、打たれたら必ず打ち返してくるソト・カラスの軽いパンチを評価しているようでした。
7ラウンドあたりから、亀海はソト・カラスのパンチをある程度見切って、被弾しても危険がないと見たようです。ガードを下げて、ボディブローを中心に強いパンチを打ち込みますが、当然、ソト・カラスの軽いパンチもかなり被弾します。
このあたりが採点の分かれ目になったのでしょう。
9ラウンドはソト・カラスにかなり疲労の色が見えましたが、それでも手数はあまり減りません。ロープを背負ってもコンパクトなパンチをうまく打ち返してきます。
判定は1-1のドロー。(97-93、94-96、95-95)
ソト・カラスは体が柔らかく、パンチをうまく殺しますが、世界のトップボクサーにはKO負けしています。ましてや全盛期を過ぎたソト・カラスを倒せないようでは、亀海は、とても世界には通用しないでしょうね。