目次
■22歳無敗対決
WOWOWエキサイトマッチ観戦記・35
WBO中南米ライト級タイトルマッチ
フェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)VSイバン・ナヘラ(アメリカ)
どちらも同じ22歳、そして全勝です。そして、チャンピオンのベルデホはジョー小泉さんいわく「この選手はスーパースター候補ですよ」
それでは、浜田剛史さんの言葉をお借りして「お手並み拝見といきましょうか」
■力の差が歴然
初回からベルデホは相手の力を見切ったように、落ち着いてスピードのある長いジャブをついて、背の低いナヘラを常に自分の射程距離に置きます。
ジョー小泉さんは「自分の距離を知ってますね。」
西岡さんが「ベルデホはブロックした左ですぐパンチを打ちますが、これはすごい技術ですよ。」さらに「バタバタと無駄なステップを踏みませんね」
もう二人ともベルデホをべた褒めです。
4回には左アッパーできれいなダウンを奪いました。ただ、その後の詰めが強引で、特に右パンチを打つ時に力みすぎでパンチの精度が極端に悪くなり、フィニッシュにつなげることができません。
■ナヘラもしぶとい
ナヘラはさすがに16戦全勝だけあって、体が柔らかくダメージの回復が早い。
7回左のカウンターをもらい2度目のダウンを奪われながら、8回には予想外の回復力をみせ、ベルデホのラッシュをしのぎました。
このラウンドもベルデホの力みすぎが目立ちました。9回にはさすがのにナヘラもへばってきたのに、どうしても仕留めきれません。
10回はベルデホが得意の左手を傷めたようで、右を強引に振り回し、ついにはサウスポーにスイッチして無事な方の右ジャブで攻めたてます。それでも最後まで逃げることなく倒しに行く姿勢は、人気選手になる素質十分ですね。
■今年中に世界を狙える
ベルデホはWBAで3位、WBOで7位、WBCはまだ21位ですが、すぐに上がってくるのは間違いないです。
WBC王者のホルヘ・リナレスにとっては脅威です。今対戦しても危ないでしょうね。
まだ22歳ですし、もっと右がスムーズに打てるようになれば、さらにKOを増産しそうです。
WBOはテレンス・クロフォードが階級を上げたため返上し、現在空位です。
7位なので王座決定戦は無理でしょうが、この勝利でランクを上げれば、次の防衛戦の相手に急浮上してきそうですね。
とにかく派手なボクシングをするので、間違いなく人気は上昇するでしょう。
フェリックス・ベルデホ、間違なくライト級を制圧しそうです。
せっかく世界ランクに復帰した粟生隆寛ですが、こんなすごいのがいてはチャンスはないですね。