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IBF世界バンタム級暫定王座決定戦(2015年6月13日)岩佐亮佑VSリー・ハスキンス
7月4日にCSで録画放送がありましたので、じっくり検証させていただきました。
本当は岩佐がKO負けした試合なんて、見たくはなかったのですが、なぜ負けたのかどうしてもこの目で確認しなくては納得できませんでしたので、複雑な気持ちで観戦しました。
【盛大に外れた予想記事です↓】
岩佐亮佑、ついに世界へ!・・・VSリー・ハスキンス – わしはボクシングマニア
【残念な結果に絶望した試合結果の記事です↓】
岩佐亮佑、まさかまさかのKO負け! VSリー・ハスキンス – わしはボクシングマニア
■試合前はいつもの岩佐
会場はとにかくすごい熱気です。イギリスのボクシング人気は想像以上、しかも応援の仕方がまるでサッカーのようで、この雰囲気は初めてのボクサーだと舞い上がってしまうかもしれません。
しかし、岩佐はリングに上がっても、完全アウェーのイギリス(どうやらハスキンスの地元らしい)の大観衆の中で意外と落ち着いていました。
もし生放送でこの瞬間を見ていたら「これは勝ったな」と思ったかもしれません。
前評判でも岩佐有利と言われていたようです。
■がちがちの別人に変身
ところがゴングが鳴って、試合が始まると一変。
棒でも飲んだみたいに岩佐の身体が硬直していて、当て勘のいい岩佐の右ジャブが全く当たらない、届かない、右ガードが下がる、相手の左を無造作に受ける、こんな下手な岩佐を初めてみました。
とにかく体ががちがちで、肩に力が入っているのか、パンチも全くキレがありません。
別人?
とにかくこの日のために磨いて生きた右ジャブは一発も当たりません。
ハスキンスは思ったほど変則ではありませんでした。ナジーム・ハメドのようなボクシングをするほどの余裕はなかったのでしょう。でもいきなり飛んでくる左の変則パンチはどうやらイーグルアイには見えていなかったようです。
■頭は冷静だが身体はバラバラ
コーナーに戻った岩佐は、セレス小林会長との会話でも相手の分析もできて、比較的冷静に試合をしているように思えました。会長の指示もしっかり理解しているようでした。
4ラウンドではその指示通りボディを中心に攻勢に出て、打ち下ろしの左ストレートを当て、ようやく岩佐らしい動きが見られました。
苦手なサウスポーにようやく距離が合いだしたのかなぁ。でも当てよう、当てようと力んで相変わらず身体は硬いままです。
■雑に攻めてカウンターもらう
5ラウンドあたりから、ハスキンスは完全に距離をつかんだようで、岩佐のパンチを見切り、がちがちの岩佐のパンチは空を切るばかりです。
そして6ラウンド。岩佐も自分のパンチが当たる距離まで詰めることはできても、ハスキンスの早い動きについていけず、強引に攻め込んだところを、「どんぴしゃ」のタイミングで左ストレートをカウンターでもらい、完全に効いてしまいました。ダウン後のハスキンスの攻めも隙がなく見事でしたね。
4ラウンドからある程度距離が合うようになって、ちょっと雑になって、無造作に当てに行ったところを狙われました。
ハスキンスはそれほどパンチ力があるとは思いませんが、あれほどきれいにカウンターをもらったら、倒れますね。(岩佐があんなパンチをもらったのも初めてみました)
小林会長の「集中して行こう!」という指示は、岩佐の焦りで、頭から消えてしまったようですね。
■もう一度やったら?
4ラウンドにリズムをつかんだところから、焦って攻めたのが問題です。
もう少し冷静に長期戦で対応する気持ちがあれば、終盤にはいくらがちがちの岩佐でも自分を取り戻して、逆転のチャンスはあったかもしれません。
リー・ハスキンスのパンチは、よほどまともにもらわなければ倒れる威力はないと思いますので、岩佐が自分の距離さえ守って、冷静に試合を運べば、勝てるチャンスは十分にあると思います。
もう一度、頑張ってみよう!岩佐。