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(出典:WOWOW)
S・フェザー級10回戦(2022年1月15日)
エイブラハム・ノバ(アメリカ)VSウィリアム・エンカーナシオン(ドミニカ共和国)
両選手のプロフィール
エイブラハム・ノバ(アメリカ)WBO世界S・フェザー級3位
20戦全勝14KO、28歳
身長 175cm 右オーソドックススタイル
2018年11月に、NABA北米S・フェザー級タイトルを獲得。このタイトルは1度防衛しています。ただ、直近2試合は、いずれも判定勝ちに終わっています。
ウィリアム・エンカーナシオン(ドミニカ共和国)元WBC中南米S・バンタム級王者
20戦19勝15KO1敗、33歳
身長 168cm 右オーソドックススタイル
2018年6月に中南米S・バンタム級タイトルを獲得しています。2019年7月にWBAカリブ海S・バンタム級王座決定戦で、ヒオバンニ・グティエレスに4RKO負けで初黒星を喫しています。その後2020年12月に判定勝ちで再起し、再浮上のチャンスをつかみました。
試合経過)
1R)
金色の顎髭がトレードマークのノバ。お互いジャブを突いて距離を計っています。エンカーナシオンがやや前に出ています。ラウンド中盤、エンカーナシオンの打ち下ろしの右がノバの顎をとらえ、ロープに下がります。ちょっと効きましたね。ノバはまだ距離感がつかめていないようです。さすが、KO率75%のエンカーナシオン、パンチ力があります。ラウンド終盤、エンカーナシオンのパンチがまたヒットしました。
2R)
ノバの手数が増え、ジャブを突いて前に出ます。しかし、エンカーナシオンも負けずに反撃します。ノバのガードが高くなりましたね。しかし、まだ硬さが取れていないようです。
ノバが左右のボディブローから上にパンチを放ちます。お互いボディを打ち合い、結構激しい打撃戦になってきました。中盤以降、ノバが少しほぐれてきて、リズミカルになってきましたね。ノバの左ジャブが効果的にヒットしています。逆にエンカーナシオンは手数が減り、押され気味になってきました。
3R)
ノバがギアを上げて、前に出てテンポよくパンチを放っています。ノバは本来の調子を取り戻してきたようです。ジャブから右ストレートがエンカーナシオンをとらえました。中盤、ノバが左右の強いフックを放ちます。ただちょっとオープン気味な気がします。ノバはガードを下げて、速いパンチを放ちます。エンカーナシオンも必死で反撃しますが、ノバのパワーに押されています。
4R)
ノバが長い左ジャブで距離を取ります。エンカーナシオンが距離を詰めますが、ノバがなかなか接近を許しません。残り1分、接近戦で、ノバの左フックがエンカーナシオンの顎をとらえ、やや体勢を崩しました。少し効いた感じです。そして、ノバがボディを中心にパンチを打ち込みます。
5R)
またこのラウンドはノバが前に出ます。ノバが上下にパンチを打ち分け、攻め立てます。かなり強烈なパンチを打ち込んでいますよ。エンカーナシオンはややダメージが蓄積してきたか、動きが悪くなってきました。それでも、エンカーナシオンも撃たれながら、必死で反撃します。
6R)
このラウンドもノバが左右のパンチを放って攻め立てます。しかし、エンカーナシオンも頑張ります。お互いのパンチがスリリングに交錯します。ラウンド中盤から、ノバのパンチが的確にヒットし始めます。ノバが連打でエンカーナシオンをロープに詰めます。エンカーナシオンもカウンターを放ちますが、ノバのパワーに押されています。
7R)
ノバが左ジャブを突いて、プレッシャーをかけます。そして、ノバが連打を畳みかけますが、エンカーナシオンもしぶといですね。しかし、エンカーナシオンのダメージはかなり溜まっています。ほぼ一方的に打たれて、ストップ寸前です。
8R)
ノバがジャブを丁寧について、前に出ます。エンカーナシオンはロープに詰まって、強烈なパンチを打ち込まれています。そして、開始ちょうど1分、リング中央でノバが連打を畳みかけると、レフリーが試合をストップしました。どうやらセコンドからギブアップのサインが出たようです。
1ラウンドを見る限り、「これはアップセットがあるかも」と思いましたが、2ラウンド以降は地力の差が出てきて、3~4ラウンドからは完全にノバのペースでした。パンチは重いようですが、切れるパンチではなさそうですね。しかし、左ジャブは結構パワーがあって的確ですし、長いリーチを武器に、自分の距離で戦えるし、接近戦も苦にしません。フィジカル面でも、このクラスだとかなり上位ですね。早ければ年内に世界戦のチャンスが訪れるかもしれません。