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(出典:WOWOW)
WBAスーパー・WBC・IBF世界ウェルター級王座統一戦(2022年4月16日)
エロール・スペンス・JR(アメリカ)VSヨルデニス・ウガス(キューバ)
両選手のプロフィール
エロール・スペンス・JR(アメリカ)WBC・IBF世界ウェルター級王者
27戦全勝21KO、32歳 左サウスポースタイル
身長 177cm リーチ 183cm
2017年5月、IBF世界ウェルター級王者のケル・ブルックに挑戦し、11ラウンドKO勝ちで、タイトルを獲得しました。2019年3月に、ミゲル・アンヘル・ガルシアに判定勝ちして、WBC世界ウエルター級ダイヤモンド王座も獲得。しかし、2019年10月に自動車事故で車が大破し、一時は引退もささやかれましたが、1週間後に退院しています。ここ3試合判定勝利が続き、やや評価を落としています。また、網膜裂孔で1年4か月のブランクを作ったのも気になりましね。
ヨルデニス・ウガス(キューバ)WBAスーパー・世界ウェルター級王者
31戦27勝12KO4敗、35歳 右オーソドックススタイル
身長 175cm リーチ 175cm
2019年3月に、WBC世界ウェルター級王者のショーン・ポーターに挑戦し、判定負けでタイトル獲得に失敗しました。2020年にWBA世界ウェルター級王座決定戦に判定勝ちし、タイトルを獲得しました。2021年8月に網膜裂孔と診断されたスペンスの代役として、マニー・パッキャオと対戦し、判定勝ちして一気に名を上げましたね。
試合展開
「わしボク」は、スペンスが無難にウガスを捌き、判定で王座を統一すると予想していました。
序盤はウガスがペースを握る
リング上で対峙した二人を比べると、背の低いウガスの方が大きく見えました。スペンスはブランクの影響か、線が細い感じがします。
そして案の定、序盤は、フィジカルで勝るウガスが、右ストレートと効果的なボディブローでペースを握ります。体力負けして下がるスペンスを初めて見たような気がします。パンチのスピードもウガスの方が上ですね。特にスペンスの打ち終わりに放つ右ストレートは、結構スペンスの顔面をとらえています。しかも、ウガスはガードが堅く、なかなかスペンスのパンチがヒットしません。スペンス、久しぶりに大苦戦です。
後半からスペンスが反撃
中盤辺りからスペンスが接近して、かなり力を込めて左アッパーを打ち込みますが、ウガスの右のリターンが速く、なかなか思うように、リズムをつかめません。「わしボク」の勝手な採点では、6ランドまでは、4-2でウガスがポイントをリードしていたと思います。
しかし、試合後半から、スペンスがかなり力を込めてパンチ放ち、挽回を図ります。ウガスはボディブローとスペンスの打ち終わりを狙って、右オーバーハンドで反撃します。
しかし、7ラウンドあたりから、スペンスがかなり力を込めてパンチを放ち、手数で圧倒していきます。ウガスもボディブローで反撃しますが、8ラウンド途中で右目の腫れがひどくなり、ドクターチェック。この中断は、かなりスタミナを消費したスペンスにとっては助かりましたね。
その後も、スペンスの攻勢はやまず、ウガスは防戦一方になります。そして、10ラウンド、再度ドクターチェックがあり、レフリーが試合をストップしました。
ポイントは前半ウガスがリードしていましたが、後半から盛り返したスペンスが、大苦戦の末逆転TKO勝ちで、タイトルの統一に成功しました。
やはり、スペンスの左フックは威力がありますね。しかし、ウガスのボディブローにはかなり嫌がっていました。ウガスにも十分チャンスがありましたが、残念な結果になってしまいました。