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ＷＢＯ米大陸・ＮＡＢＯ北米ヘビー級タイトルマッチ（２０２１年１０月９日）
フランク・サンチェス（キューバ）ＶＳエフェ・アジャグバ（ナイジェリア）
この試合は、タイソン・フューリーＶＳデオンテイ・ワイルダーのセミファイナルで行われました。お互いこの大舞台でナイスファイトを見せ、名前を売りたいところですね。下馬評では、前の試合で豪快な失神ＫＯを演じたアジャグバが有利とされていました。
プロフィール
フランク・サンチェス（キューバ）ＷＢＯ米大陸・ＮＡＢＯ北米ヘビー級王者・ＷＢＯ５位
１８戦全勝１３ＫＯ ２９歳 右ボクサータイプ
エフェ・アジャグバ（ナイジェリア）ＷＢＣ８位、ＷＢＯ１０位
１５戦全勝１２ＫＯ ２７歳 右ボクサータイプ
試合経過
１Ｒ）
１９８㎝のアジャグバが、ジャブを突いて前に出ます。サンチェスは距離をとりながら、様子を見ています。アジャグバの動きが止まると、サンチェスがステップインしてパンチを放ちます。まだ、お互い手数が少ないですね。
２Ｒ)
アジャグバがジャブを突きながらプレッシャーをかけ、右のオーバーハンドを打ち込みます。前のラウンドよりかなりプレスが強くなりましたね。しかし、中盤、サンチェスは右を返しました。終盤は、アジャグバの左ジャブがボディをとらえます。
３Ｒ）
アジャグバは右のオーバーハンドを打ち込みます。サンチェスも下がりながら、ときおり速いパンチを返します。ラウンド中盤、サンチェスも右がカウンター気味にヒット。相変わらず、アジャグバがプレッシャーをかけ、前に出ます。アジャグバは前に出るものの、クリーンヒットがありません。手数も少ないですね。
４Ｒ）
このラウンドもアジャグバが前に出て、プレッシャーをかけますが、攻撃が単調で、手数も少ないですね。サンチェスは、カウンターを狙っています。アジャグバが手を出さないので、サンチェスは飛び込んでパンチを放ちます。お互い手数が少なく、盛り上がりに欠ける展開です。
５Ｒ）
アジャグバは前に出るものの、あまり手が出ません。ややプレッシャーが弱くなったような気がします。サンチェスは下がりながら、時折、パンチを返しますが、相変わらず手数が少なく、退屈な展開になってきました。
６Ｒ）
前に出ながらも攻めあぐねるアジャグバ。下がりながらも、ペースはサンチェスに傾いてきた感じがします。ラウンド中盤、アジャグバが思い出したように左を突きますが、サンチェスの動きについていけません。無敗対決とは思えないほど凡戦です。
７Ｒ）
この二人が世界戦線に浮上するのは無理でしょうね。アジャグバの攻撃は相変わらずです。本当に単調で、手数も少ない。サンチェスはアジャグバの隙をついて、飛び込んでパンチを返します。それにしてもアジャグバの手数が少ないですね。両手でも痛めているのでしょうか。
残り３０秒、サンチェスの大きな右フックがアジャグバの顔面をとらえます。押して追い打ちをかけるように右のパンチを放つと、アジャグバの腰が落ち、そこへとどめの左フックでダウンしました。立ち上がったアジャグバ。しかし、ここはゴングに救われます。最後の左フックは、ダウン後の加撃のようにも見えましたね。
８Ｒ）
アジャグバにそれほどダメージは感じられません。ここはとにかく攻めて挽回しなければなりません。アジャグバがパンチを放つと、逆にサンチェスの左右のアッパーがクリーンヒットし、アジャグバの顎が上がります。パンチのスピードはサンチェスが上です。アジャグバは先ほどの反撃で、また手が止まりました。サンチェスも倒しに行く感じが見られません。このまま、判定で逃げ切るつもりでしょうか。
９Ｒ）
アジャグバは少なくともダウンを奪わないと勝てないでしょうが、サンチェスの動きについていけません。サンチェスは時折、飛び込んで大きなパンチを放ちますが、スピードのないアジャグバはカウンターが取れません。
１０Ｒ）
前に出るアジャグバに対して、サンチェスは飛び込んでパンチを放ちます。アジャグバの左フックがサンチェスの顎をとらえました。初めてのクリーンヒットじゃないでしょうか。サンチェスはもう、打ち合う気はなさそうです。アジャグバはその後も前に出ていますが、パンチが出ません。
判定は、３－０（９７－９２，９８－９１，９８－９１）でサンチェスが大差の判定でタイトルを防衛しました。アジャグバは初黒星を喫しました。しかし、この二人では、世界のトップクラスに通用しないでしょうね。少なくともアジャグバは完全に世界戦線から離脱しました。それにしても、全勝の世界ランカー対決は信じられないほど凡戦に終わりました。
