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(出典:WOWOW)
トニー・ヨカ(フランス)VSマーティン・バコレ(コンゴ共和国)
ヘビー級10回戦(2022年5月14日)
両選手のプロフィール
トニー・ヨカ(フランス)IBF世界ヘビー級5位・WBC10位
11戦全勝9KO、30歳 オーソドックススタイル
身長201cm リーチ 208cm
2016年のリオ五輪で金メダルを獲得し、2017年、プロに転向しました。着実に勝利を積み重ね、今やフランス期待の世界チャンピオン候補です。全勝、KO率82%。
マーティン・バコレ(コンゴ共和国)WBA世界ヘビー級9位・IBF15位
18戦17勝13KO1敗、28歳 オーソドックススタイル
身長 198cm リーチ 200cm
元WBCインターナナショナル王者。唯一の1敗はKO負けです。
試合展開
リング上で対峙すると、数字以上にヨカが大きく見えますね。しかし、体重はバコレの方がかなり重そうです。
1ラウンド、いきなりヨカがダウン
そのバコレが前に出ます。ヨカは下がりながらジャブを突き距離を取ります。バコレのパンチは重そうです。バコレの左右のフックがテンプルにヒットし、少し効いた感じです。2分過ぎあたりから、バコレのプレッシャーがきつくなり、右フックをガードの上から叩きつけると、ヨカがロープに飛ばされ、体勢を崩したところへまた右フックをガード上から叩きつけると、ヨカはたまらずダウン。すごいパワーですね。
3ラウンドからヨカも少し持ち直しましたが、相変わらずバコレのパワーに押されています。ジャブの威力が違う感じです。バコレのボクシングスタイルは、ルイス・オルティスに似ていますね。
話は逸れますが、短い名前は、入力が楽ですね。さて、試合に集中しましょう!(ジョー小泉さんの真似です)
5ラウンドにヨカがまたダウン
4ラウンドは、ヨカの手数が少し増えてきました。リズムを取り戻した感じです。しかし、バコレは前にでながら、相手をよく見ています。パンチの的確性はバコレですね。
5ラウンドにバコレが右ストレートを放ち、中腰になったヨカが、足をひねったように膝を着きました。まだ2分以上あります。バコレはコンパクトなパンチで追いつめます。ヨカは防戦一方です。所々で、ヨカもオリンピアンらしく、シャープなパンチをヒットさせますが、勢いで負けています。
後半もヨカが劣勢のまま
バコレはコンパクトなパンチをポンポンを放ち、省エネボクシングで、ヨカを追いつめます。ヨカもフットワークを使って、時折シャープなパンチを返しますが、バコレも大きなパンチでヨカをロープに追いつめます。
バコレはコンパクトな省エネパンチでヨカを追いつめ、ビッグパンチのタイミングを狙っています。8ラウンドぐらいから、ヨカのシャープなパンチも増えてきましたが、劣勢を挽回するまでには至りません。しかし、終盤はバコレもさすがに疲れてきたようで、手数も減ってきましたが、うまく休みながら、ペースを譲りません。しかし、ヨカも手数が増えません。最終ラウンドはまた、バコレが攻め立てます。ヨカは手を出しませんね。まさか勝ってるとは思っていないでしょう。
一番驚いたのは採点です
2-0(95-93,96-92,94-94)でバコレの判定勝ちですが、94-94をつけたジャッジは一体どこを見ていたのでしょうか。「わしボク」はどう譲っても98-90でバコレですね。
勝ったバコレは、パワーがあって試合運びもうまいですし、コンパクトなパンチはカウンターをもらいにくく、ディフェンスもしっかりしています。まだ、28歳、これから楽しみな選手です。
ヨカは、この敗戦で世界戦線から大きく脱落ですね。すべては1ラウンドにダウンを喫したのが敗因ですが、パワー不足も否めません。