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(出典:WOWOW)
デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)VSロバート・へレニウス(フィンランド)
WBC世界ヘビー級挑戦者決定戦(2022年10月15日、日本時間16日)
両選手のプロフィール
デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)WBC世界ヘビー級1位
45戦42勝41KO2敗1分け、36歳 オーソドックスタイル
身長 201cm リーチ 211cm 前戦の体重 107.9キロ
2015年1月、WBC世界ヘビー級王者のバーメイン・スタイバーンに挑戦し、大差の判定でタイトルを獲得しましたが、デビュー以来の連続KOはストップ。7度の防衛に成功し(すべてKO)2018年12月に、8度目の防衛戦でタイソン・フューリーと対戦し、2度のダウンを奪うも、引き分けに終わり、8度目の防衛に成功しました。この試合の12ラウンドにフューリーが喫したダウンは「これで終わった」誰もが思ったほどの衝撃的なシーンでしたが、何とフューリーはゾンビのように立ってきました。2020年2月に11度目の防衛戦でフューリーと再戦し、7RTKO負けで王座から陥落しました。そして、2021年10月にフューリーと3度目の対戦。ダウンの応酬の末、11RKO負けで、タイトル獲得に失敗しました。
ロバート・へレニウス(フィンランド)WBA世界ヘビー級2位
34戦31勝20KO3敗、38歳 オーソドックスタイル
身長 200cm リーチ 201cm 前戦の体重 111.5キロ
2011年8月、元WBC世界ヘビー級王者のセルゲイ・リャコビッチに9RTKO勝ちして、WBO世界ランキング1位、WBA3位に浮上しました。しかし、2016年4月にヨハン・デュオパにプロ初黒星となる6RKO負けを喫しました。後の2敗は、2017年10月にディリアン・ホワイトに判定負け、2019年7月にジェラルド・ワシントンに8RKO負けを喫したものです。この3敗目で世界戦線からほぼ脱落していましたが、2020年3月に当時無敗のホープだったアダム・コウナツキに4ラウンド番狂わせのTKO勝ち。さらに2021年10月の再戦でも6RTKO勝ちで返り討ちにし、世界戦線に再浮上しました。
展開予想
なんで、タイトルマッチでもないのに、12ラウンドもちんたらやる必要があるのでしょうか。「わしボク」の希望は8回戦ですが、百歩譲っても10回戦で充分でしょう。
それはともかくこの試合は、ワイルダーがフューリー戦のダメージからどのくらい回復しているかが、一番のキーポイントでしょうね。それでなくても、ワイルダーは2018年ごろのフィジカルの強さが感じられなくなっています。だた右ストレートだけは一発で倒す威力は残っています。へレニウスは、コウナツキに2連勝して株を上げましたが、それほど強くなっているとは思えません。ワイルダーの右ストレートが決まれば、そこで終わると思います。
ところで、WBCの王者はタイソン・フューリーです。ワイルダーが勝ったとしても、もうフューリーVSワイルダーの第4戦はないでしょう。アンディ・ルイスとの暫定王座決定戦になると思います。
試合展開
前日計量でワイルダーが随分体を絞ってきました。97.3キロですから、前の試合からなんと10キロも減っています。一方のへレニウスは114.9キロと前より少し増えていますね。その差17.6キロが試合にどう影響するのでしょうね。
巨漢のへレニウスが前に出てプレッシャーをかけます。ワイルダーはジャブを突いて、下がりながら距離を取ります。へレニウスの周りをサークリングするようにして、様子を見ています。中盤辺りからへレニウスのパワーに押され気味で、ワイルダーは手が出ません。へレニウスは自信満々の様子でワイルダーを追いつめます。
しかし、1ラウンド終了間際にコーナーに詰まったワイルダーに、へレニウスが不用意に右を放ったところへ、ワイルダーのコンパクトな右ストレートがカウンタで顎をとらえ、へレニウスは崩れ落ちるようにダウン!レフリーは直ぐに試合をストップしました。相当ダメージがあったのでしょうね。へレニウスはしばらく立ち上がることが出来ませんでした。強烈な右でした。
ワイルダーの1ラウンド2分57秒KO勝ちです。スロー再生で観た感じでは軽く放ったパンチに見えましたが、タイミングが良かったのでしょう。それにしてもワイルダーの右は強烈です。ワイルダーが世界のトップ戦線に帰ってきました。