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アッサン・エンダム(フランス)VS村田諒太(帝拳)
WBA世界ミドル級タイトルマッチ(10月22日)
負けて名前を上げたボクサーは、なかなかいないでしょうね。
大げさに言えば、負けることによって、逆にその名前を世界中のボクシングファンに知られたような気がします。
私も50年以上ボクシングを見てきましたが、あれほどひどい採点は記憶にありません。
まあ、この話はもう、さんざん語られましたので、このぐらいにしときます。
とりあえず紆余曲折を経て、再戦することになりました。
一応、チャンピオンのエンダムは、38戦36勝21KO2敗、33歳。
2敗は、ピーター・クイリンとデビッド・レミューに判定負けしたものです。
村田戦でもダウンを喫したように、決して打たれ強くはありませんが、回復力が速く、クイリンにもレミューにも何度もダウンを奪われながら、判定まで粘っています。
村田は13戦12勝9KO1敗。31歳。
総合力では完全に村田が上です。序盤に不用意にエンダムのパンチをもらうようなことがなければ、順当に判定でタイトルを獲得するでしょう。
お互いに手の内は分かっていますし、それほどボクシングスタイルが大きく変わることも考えられません。ただ、エンダムは村田のパンチをかなり警戒してくるでしょうから、今度はダウンを奪うのは難しかもしれませんね。
比嘉大吾(白井・具志堅)VSトマ・マソン(フランス)
WBC世界フライ級タイトルマッチ(10月22日)
比嘉は13戦全勝13KOとういうパーフェクトレコードで世界タイトルを獲得しました。まだ22歳。
マソンは20戦17勝5KO3敗1分け、27歳。WBC6位。
この階級でフランスの選手は珍しいですね。
160㎝の比嘉に対して、マソンは170㎝の長身です。
ビデオを見ましたが、戦績以上に基本のしっかりしたいい選手ですね。
比嘉と同じオーソドックスタイル(右構え)なのが救いですが、左ジャブが長くて結構速い。懐が深そうです。
ディフェンスもしっかりしており、長身の割には意外と好戦的な面もあり、直近の試合では、結構、相手にプレッシャーをかけ、至近距離で打ち合いに応じていました(9RKO勝ち)。
比嘉があまり対戦したことのないタイプですね。間違いなくやりにくいと思いますが、怖いパンチはなさそうです。問題は距離ですね。
マソンは距離の取り方が非常に上手いので、12ラウンド捕まえきれずに終わる危険性もありそうです。
もう一つ気になるのは、比嘉の減量です。
一瞬、ファイティング原田さんが非力なジョニー・ファメッション(フランス出身のオーストラリア人)にKO負けしたシーンが頭をよぎりました。
拳四朗(BMB)VSペドロ・ゲバラ(メキシコ)
WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ(10月22日)
拳四朗は10戦全勝5KO、25歳。カニガン・ロペスには予想以上に苦戦しました。
私はもっと楽に勝つと思っていただけに、意外でした。
ゲバラは30戦27勝17KO2敗1分け、28歳。WBC1位。
カニガン・ロペスには2年前に明白な判定で勝っています。木村悠さんに判定でタイトルを失いましたが、パンチ力は八重樫東をボディブロー1発でKOしたように、十分注意が必要です。
恐らく、3試合の中でこの試合が一番厳しい戦いになるでしょう。ゲバラはスキのない、完成度の高いボクサーです。勝つのは容易ではありません。
終盤になるとボクシングが雑になってしまう拳四朗が、前半でどれだけポイントをリードできるかがカギでしょう。微妙な判定でタイトルを失うような気がします。